先日の「題名のない音楽会」で
演目が好きだし演奏したこともあるムゾルグスキーの展覧会の絵だったので
思わず観ちゃいました。
そのなかで、この曲の背景などもしって、さらに曲に対する想いが変わってきたので
今日は組曲『展覧会の絵』について語ってみようと思います。
組曲『展覧会の絵』とは?
展覧会の絵は、ロシアのムゾルグスキー作曲で、
誰もが聴いたことあるのは
『プロムナード』かもしれません。
構成は
第一プロムナード
小人(グノース)
第二プロムナード
古城
第三プロムナード
テュイルリーの庭~遊びの後の子供たちの口げんか
ビドロ(牛車)
第四プロムナード
卵の殻を付けた雛の踊り
サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ
第五プロムナード
リモージュの市場
カタコンベ~ローマ時代の墓
死せる言葉による死者への呼びかけ
鶏の足の上に建つ小屋 – バーバ・ヤガー
キエフの大門
(Wikipediaより引用)
という曲からなっています。
組曲『展覧会の絵』が作られたきっかけ
この、『展覧会の絵』が作られたきっかけというのを
私は知らなかったのですが、
何の展覧会かというと、
親友の遺作展
からインスピレーションを得て、作られたようなんです。
遺作ということですから、親友は亡くなっています。
その親友の死の無念さ残念さも、この曲には入っているのだそうです。
その親友とは、画家で建築家のハルトマンということですが、
モチーフとなったハルトマンの絵はWikipediaにも掲載されています。
親友ハルトマンへの想いがこもった曲
カタコンベ~ローマ時代の墓
死せる言葉による死者への呼びかけ
鶏の足の上に建つ小屋 – バーバ・ヤガー
キエフの大門
この4曲は、親友ハルトマンへの想いを込めて書かれているとされています。
確かに、ここから曲調が変わります。
私もこの4曲はもともと『展覧会の絵』の中でも好きな曲だったのですが
特に想いが込められているからかもしれませんね。
特に「死せる言葉による死者への呼びかけ」なんて、
「まるでレクイエム」と番組内でも紹介されていましたが、
ほんとそうだなあと思います。
金管楽器が悲しみを表現しているとありましたが、
「なんで死んでしまったんだ…」という
作者の咆哮のように聞こえる旋律です。
そしてそのあと、長調に転調して
親友を天国に見送った様を表しているようです。
とても美しく儚い旋律です。
からの、「鶏の足の上に建つ小屋 – バーバ・ヤガー」の出だし。
急にドキッとする目の覚めるような音で始まります。
この曲は「怒り」を表しているようです。
親友への「なんで死んでしまったんだ」という怒り。
自身への「自分は何をしているんだ」という怒り。
なにかショックなことがあると、
まず悲しみが来ますよね。
そして、少し元気が戻ると今度は怒りがわいてきませんか?
そんなところにもすごく共感しながら聴いていました。
そして旋律は盛り上がっていき、
いよいよフィナーレの「キエフの大門」へ。
この曲は、やはり親友ハルトマンの「キエフの大門」の絵をモチーフに
しているのだそうですが、
このキエフの大門てロシア人にとっては誇りそのもの。
それが当時壊れていて、修復するのにデザインを募集していたそうです。
それにハルトマンも応募したが、それは叶わなかったそうです。
そんなハルトマンの夢が詰まったキエフの大門の絵。
それをムゾルグスキーは曲で表現しようとしたのだそうです…!
書いていてうるうるしてきちゃいました。
素敵な友情ですよね。
そんなムゾルグスキーの強い想いが込められた作品だから、
今なおあちこちで演奏され、親しまれているのでしょうね~。
ちなみに、そんな『展覧会の絵』は様々に編曲もされているようですが、
これはすごいというのをご紹介しますね。
サクソフォーン奏者の須川展也さんが、この長い組曲を
サクソフォーンの種類を変えながら一人で演奏されています。
すごすぎます!!
楽器の切り替えも、演奏テクニックもすごすぎでびびります!
なかでも「古城」は秀逸です!!
音が美しすぎます~!!!
これがテナーサックスの音なんですか!?です。
実はこれ、生で聴いたことあるのですが、鳥肌立ってゾワゾワしまくりでしたよ~!!
CD/須川展也/エキシビジョン・オブ・サクソフォン
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まとめ
そんなわけで、組曲『展覧会の絵』について語ってみました。
やっぱり、想いを込めたものって
その背景とか知らなくても心に届くのだなあと思いました。
私も何も知らずに最後の4曲は特別な印象を受けましたし
好きでしたから。
そんなムゾルグスキーの想いがこもった『展覧会の絵』
ぜひゆっくり聴いてみてくださいね。
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